目次
アオコとは
 アオコ(水の華)とは藍藻類が大発生し水面を覆う現象で1、有機物によって富栄養化が進んだ水域において、水温上昇や日射量の増加によって植物性プランクトンが大増殖することによって生じ2、一般的に藍藻類(特にMicrocystis属のシアノバクテリア)を主体とします3

 アオコは粘着物に覆われ凝集体を作っており、粘着性があるためアオコは次第に大きくなり景観を損ねるばかりではなく、水中の溶存酸素が極端に減少することによる水生生物の死滅や4、アオコが腐敗したときに出す悪臭等のような弊害があります5

 アオコの悪臭の主な原因物質はジオスミンや2MIB(メチルイソボルネオール)であり6、アオコの毒素は総称してシアノトキシン(Cyanotoxin:藍藻毒)と呼ばれ、家畜や人への被害が報告されています7

 一般的な藻類の至適温度は20℃前後とされており、好適温度範囲内では温度が高いほど増殖速度が大きくなりますが8、藍藻類の至適温度は25-35℃と一般的な藻類と比較して高いため、高水温状態では藍藻類が優位になりやすく、高水温時に(特にMicrocystis属による)アオコが発生する可能性が高いという傾向は、この藍藻類が高水温を至適温度とすることに起因します9

 ただ、藍藻類は高水温・強光という過酷な環境に適応する能力は長けているものの、他の藻類と比較して増殖速度が遅い種であることが知られています。また、藍藻類は暗条件に弱い性質があり、高pH条件下では無機炭素の取り込み(炭酸同化作用)が他の種と比較して早いという特徴があります。

藻類は光合成する際に二酸化炭素を消費するので表層水のpHは上昇しますが、これを曝気などにより下層水と混合させ表層水のpHを低下させることによって藍藻類の優位性を解消する効果があると考えられています10


商品名:プール清掃用サイオン

詳細:乳酸菌を中心とする有用微生物群が藻類等の有機物を分解することで、プール、池や堀などの水域での腐敗や悪臭を抑制します。

容量:10L

価格:19,800円(税込、送料別)

内容:乳酸菌、酵母など


脚注一覧
  1. 横川文明. 藍藻. 有機合成化学協会誌. 2000. 58(7). ↩︎
  2. 岡本嗣男, 高橋志郎, 加藤彰久. オゾンによる“アオコ”駆除に関する基礎的研究. 農業機械学会誌. 1996. 58(Supplement). ↩︎
  3. 梅田信, 富岡誠司. 貯水池における水質環境要素と藻類増殖の関連. 水工学論文集. 2007. 51. ↩︎
  4. 杉浦則夫, 稲森悠平, 須藤隆一. 生物膜法による汚濁湖沼の水質改善. 日本水処理生物学会誌. 1991. 27(1). ↩︎
  5. 村上光正, 下山昭宏, 西本潔, 木内武. 藻膜と池水の汚濁・浄化の関係. 環境技術. 1994. 23(6). ↩︎
  6. 小暮幸雄. 底泥浚渫による水辺の悪臭防止技術. におい・かおり環境学会誌. 2016. 47(3). ↩︎
  7. 鈴木実, 安西竜也. 超高圧水中衝撃波によるアオコの死滅処理. 日本機械学会論文集B編. 2013. 79(801). ↩︎
  8. 花山奨, 金谷祐里, 安中武幸. 水田土壌中の窒素形態が付着藻類の光合成による田面水のpH変化におよぼす影響. 農業農村工学会論文集. 2017. 85(2). ↩︎
  9. 梅田信, 富岡誠司. 貯水池における水質環境要素と藻類増殖の関連. 水工学論文集. 2007. 51. ↩︎
  10. 梅田信, 富岡誠司. 貯水池における水質環境要素と藻類増殖の関連. 水工学論文集. 2007. 51. ↩︎